城戸司令を始めとしたボーダー上層部は、初登場時は嫌味な人が多い印象でした。
組織を優先して融通が利かなかったり、近界民と親交深い玉狛支部の面々とは仲が悪い人物が多く、派閥争いで敵対しています。
しかし物語が進むにつれ、最初は嫌な面子だと思っていたボーダー上層部も、魅力的で有能なキャラクターが多いことに気づかされるんですよね。今回はボーダー本部の上層部の面々について考察していきます!
本部司令・城戸正宗(きどまさむね)

《出典:ワールドトリガー》
ボーダー本部の最高司令官・城戸正宗(きどまさむね)。
旧ボーダー設立時代からのメンバーで、旧ボーダーの玉狛支部の面々と別れてボーダー本部を設立し、現在の防衛体制を作り上げた人物。上層部のほとんどが彼からスカウトされています。
常に厳格な態度を崩さず、近界民の排除を徹底する城戸派のトップ。そのため、近界民である空閑遊真(くがゆうま)には当たりが厳しく、遊真が所属する玉狛とは対立が激しいです。
元々は旧ボーダーに所属して屈託のない笑顔を浮かべる人物だったのですが、5年前の戦争でボーダーの仲間を多く失ってから、現在の性格と考え方に至るようになったとのこと。
「近界民は我々の敵だ」と強く敵視し、黒トリガーを持つ遊真のことも警戒して始末しようとしていました。しかし、全く話の分からない人間ではありません。
遊真たちが所属する玉狛第二に対しても、特別不遇な対応をすることはなく、あくまでボーダーの規則に則って公平に接しています。
それどころか、三雲修(みくもおさむ)に対して「……頑張りたまえ、きみの目的が果たせるように」と激励をかけているシーンがあることから、玉狛第二の面々のことを特別憎んでいることはなく、むしろ気にかけているように思えます。

《出典:ワールドトリガー》
大規模侵攻編でボーダーを襲ったアフトクラトルの一員であるヒュースをボーダーに入れる際も、修の話をきちんと聞いて条件をつけたことで入隊を許可しています。
城戸司令には周囲に隠している真の目的があり、迅悠一(じんゆういち)は未来視のサイドエフェクトで、玉狛第二がその目的を果たす鍵となると予言しました。
まだ城戸司令の真の目的は判明していませんが、ただ近界民を殲滅したいというような目的ではないと思います。旧ボーダーのメンバーですから、近界民にも良い奴はいると知っているはずですから。彼の目的がなんなのか楽しみですね。
本部長・忍田真史(しのだまさふみ)

《出典:ワールドトリガー》
ボーダー本部長・忍田真史(しのだまさふみ)。旧ボーダー時代からの古株。
ボーダーの指揮官を務めており、剣の腕はボーダー内でもノーマルトリガー最強と言われています。
アタッカー1位の太刀川慶(たちかわけい)の師匠であり、現在でもその実力差は大きいようなので、近界民と比較しても相当な猛者であることは間違いないでしょう。
指揮を担当しているので本人が実戦にでることは稀ですが、本部が襲撃されたときの最大の切り札と言えます。大規模侵攻編では黒トリガー使いのエネドラを、ノーマルトリガーで圧倒する実力を見せました。
近界民に対しては中立的な態度を取っている忍田派のトップ。中立といってもかなり話の分かる温厚な人物なので、玉狛に対しても協力的であり、修や遊真に便宜を図らってくれることも多いです。
玉狛絡みで揉めた際は、大抵真っ先に擁護してくれる良い人。ただし実戦においては指揮官として時に冷酷な判断もできるため、情に流されて指揮が執れないなんてこともなく、非常に優秀な指揮官だと思います。
本部開発室長・鬼怒田本吉(きぬたもときち)

《出典:ワールドトリガー》
本部開発室長・鬼怒田本吉(きぬたもときち)。現ボーダー設立後に城戸司令にスカウトされました。
嫌味な上層部と言えば最初に名前が上がると言っても良い鬼怒田さん。初登場時から隊務規定違反を犯した修に対して厳しく当たり、ボーダー本部内のパワーバランスを気にして遊真から黒トリガーを強奪することを推奨していた人物。
とても偉そうにしているいかにも嫌な上司って感じの人物ではありますが、開発室長として非常に優秀であることには間違いなく、現在のボーダーのシステムを作り上げるのに大きく貢献しています。
近界民と仲良くしたりトラブルを引き起こしたりする玉狛のことを毛嫌いしている様子ですが、玉狛第二の雨取千佳(あまとりちか)のことは、娘と同じ年頃であるからかとても可愛がっています。
また、遊真の「嘘を見抜くことができる」サイドエフェクトの力を借りて、エネドラから事情聴取を定期的に行っており、その件もあって遊真とは少し仲良くなっている模様。以前ほど厳しい態度ではなく、遊真や修とコミュニケーションを取ってくれています。
ヒュースを入隊させる取引の際は、根付が強く拒んでいる中、鬼怒田は中立的な態度を取っていました。初期の頃なら根付と一緒に近界民の入隊を拒んでいそうなので、遊真と仲良くなったことで玉狛第二に対してやや歩み寄った立場となってきています。
メディア対策室長・根付栄蔵(ねつきえいぞう)

《出典:ワールドトリガー》
メディア対策室長・根付栄蔵(ねつきえいぞう)。現ボーダー設立後に城戸司令にスカウトされました。
ボーダーの評判を守りイメージアップを図るため、メディアへの対応に勤しむ敏腕。
世間にとってボーダーや近界民は未知の世界であり、ボーダーがいても被害を0に抑えることはできないため、マスコミから攻撃されることもしばしば。それでもボーダーが街の人々から信頼されているのは根付の根回しのおかげです。
鬼怒田と並んで玉狛への敵視が激しく、よくトラブルを引き起こす玉狛第二の面々のことを良く思っていない様子が見受けられます。
修に対しては「ボーダーのイメージを悪くさせないために、大規模侵攻の責任を修に押しつけてスケープゴートにする」という仕打ちをしており、隊員に対して容赦のない一面があります。
決して悪人ではなく、むしろそういう狡猾さがボーダーの評判を守ることに繋がっているわけですが、スケープゴートにされた隊員からするとたまったもんじゃないですね。
なにがあったかわかりませんが、元A級隊員の影浦雅人(かげうらまさと)にアッパーをかまされたことがあり、影浦は隊務規定違反でB級隊員に降格しました。影浦隊に対して、修にやったような冷徹な対応をしてキレられたのかもしれません。
関連記事:【ワールドトリガー】影浦が上層部の根付を殴ったのは仲間のためか?
しかし修のことを徐々に認めてきている節があります。ヒュース入隊の際の根回しを修が行っていたと知ったときは「悪い知恵ばかりつけていくねえ」と失笑していたり、ヒュースの近界民疑惑がでたときにすぐ報告にきた修に対し、「以前より成長している」と評価していました。
鬼怒田ほどではないですが、少しずつ玉狛第二への態度が軟化してきているので、そのうち心を開いてくれる可能性はありそうです。
外務・営業部長・唐沢克己(からさわかつみ)

《出典:ワールドトリガー》
外務・営業部長・唐沢克己(からさわかつみ)。現ボーダー設立後に城戸司令にスカウトされました。
ボーダーの外向けの仕事を担当しており、スポンサーから資金を調達してくる敏腕ネゴシエーター。
ボーダー上層部の中では最年少(33歳)かつ後輩というのもあってか、あまり会議では積極的に意見を出しはしません。
しかし城戸から意見を求められることが多く、鋭い独自の意見で城戸をサポートしています。的を射た発言が多いので城戸からも信頼されているようです。
上層部の中では珍しく玉狛に嫌悪的な態度は示さず、修がC級隊員なのに勝手にトリガーを起動して近界民と戦ったことに対しても、修のヒーロー気質を内心で評価していました。
以降も修が馬鹿正直に周囲のために動く様子を評価し、忍田のように表立って玉狛の味方をするわけではなくても、修たちに陰ながら協力してくれる良き理解者となっています。

《出典:ワールドトリガー》
修をヒーローと呼び、修が根付によってスケープゴートにされそうだったときは、「ヒーローにも反撃の機会が与えられるべきだろう?」と彼にチャンスを与えていました。
ボーダーのスケープゴートに修を使うのは収支が合わないと考えており、修を高く評価していることが伝わってきます。ヒーローに対して憧れのようなものがあるのかもしれませんね。
まとめ
最初は修や遊真に敵対的だった人が多いボーダー上層部ですが、徐々に修たちと打ち解けてきており、彼らの有能さと人間性が少しずつ見えてきて魅力的になってきています。
ワールドトリガーはただの嫌な奴ってなかなかいないので、徐々に良い一面が見えてくるところが良いですね。最初修に嫌がらせしていた緑川駿(みどりかわしゅん)も今では友達みたいなもんですし。
ボーダーの隊員たちは若い人物が多いので、大人の良さを見せてくれる上層部たちの今後の活躍も楽しみなところです。