悟空の妻であるチチは、主人公と結婚したにも関わらず、ブルマより出番が少ない不遇なヒロイン。
重度の教育ママで、悟飯を幼い頃から塾に通わせ、武道より勉学に励ませていました。悟飯を強くさせたい悟空とはその点で反発してしまうことも多々あります。
地球の危機よりも悟飯の将来の方が大事とはっきり言ってしまうほどで、サイヤ人編では悟空が瀕死の状態であるにも関わらず無視して、悟飯の下に駆け寄っていくほど。必死で戦った悟空には、悟飯を戦いに巻き込んだことで怒っているくらいでした。
そんなチチですが、二人目の子供である悟天に対しては、明らかに教育方針が違っています。
悟飯には縛り付けるように勉強ばかりやらせようとしていたのに、悟天はトランクスと自由に遊んでいるんですよね。トランクスと対決ごっこでよく戦っていますし。
かつてのチチとは考えられないほどの変化をしています。どうして悟飯と悟天に対する教育方針が違うのか考察してみました。
チチとの出会い

《出典:ドラゴンボール》
悟空がチチと出会ったのは物語の序盤、最初のドラゴンボール探しのときです。
牛魔王の娘として一時的に悟空と行動を共にし、その際に悟空から「パンパン(ただのセクハラ)」されたことで、悟空にお嫁に行くしかないと決意します。
別れ際に「大きくなったらお嫁にもらってほしい」と悟空に告げ、嫁というものが何のことかよく分かっていなかった悟空は、「もらえるものならもらう」と気軽に約束してしまいます。
それから約7年後の天下一武道会にて再登場し、かつての約束を果たして悟空と結婚することになりました。子供の頃から7年間も悟空のことを想い続けていた一途さはすごいですね。
悟飯が生まれて教育ママに豹変
悟飯が生まれてからは、悟空にぞっこんだった頃から一変、教育ママへと豹変します。
悟空に対する愛情もどこへやら、悟飯のことしか眼中にないような感じとなってしまい、亀仙人やクリリンたちも呆れてしまうような悟飯への過保護っぷり。
悟飯自身、戦うことが嫌いで、将来の夢は学者になることなので、チチに勉強を強制されているのはそれほど嫌ではないんだと思います。そうでなければ行きすぎな教育です。
ただ地球の危機であれば自分も戦いたいと思う悟飯とは違って、そこまでいっても悟飯の将来のことしか考えないチチ。ナメック星に行く前に、遂に悟飯からも「うるさい」と怒られ、チチに反発するようになりました。
悟飯の反発をきっかけとしてか、人造人間がくるまでの3年間は、悟飯が修行することに対し最初は反対するものの、渋々認めることになりました。
とは言え、あくまで戦いが終わったら勉強に専念させることを約束させているので、完全に武道の道に行くことを認めたわけではありませんでした。
魔人ブウ編では落ち着きを取り戻す
悟飯が生まれてからヒステリックなキャラだったチチですが、魔人ブウ編では落ち着きを取り戻しています。
悟飯とビーデルの関係に口を出すなど、過保護なところはあまり変わっていないですが、天下一武道会への出場をあっさり許可していますし、ヒステリックな一面はほとんどありません。
セルゲーム後に生まれた悟天は、頻繁にトランクスと遊んでいます。悟飯の頃は勉強の遅れを神経質に気にしていたのに、悟天が遊んでいるのは容認しているようですね。
悟天のことを大切に想っていないわけではもちろんないでしょうが、悟飯が幼いときの教育方針とは大きく異なります。
悟空があの世から1日だけ帰ってくると聞いたときはすごく喜んでおり、再びあの世に戻るときは泣いて悲しんでいました。悟空への愛情も取り戻している(なくしていたわけではないかもしれませんが)ようですね。
関連記事:【ドラゴンボール】チチは本当に悟空を愛していたのか考察する
チチが変わったのは悟空の死が原因か
悟飯と悟天の教育方針が違うだけではなく、チチの性格も悟天が生まれてから穏やかになっています。
チチが変わったのは、セルゲームで悟空が死んだことが原因ではないでしょうか。
サイヤ人編、フリーザ編、人造人間編では、悟空たちが地球や仲間のために戦うことを頭では分かっていても、実感がなかったんだと思います。直接チチの身に危険が及んだことはないですからね。
しかしセルはテレビにも出演して世の中を大きく混乱させました。チチにとっても、セルゲームの重要性は理解できていたはずです。
そして悟空がセルゲームで戦死したことは、それまでの考えを大きく覆す出来事だったと思います。地球の存亡を賭けた戦いで悟空が死に、息子の悟飯がセルを倒して地球を救ったのです。
ラディッツ戦でも悟空は死にましたが、あのときはドラゴンボールで復活することを教えてもらっていたでしょうから、そこまでチチに精神的ダメージはなかったでしょう。
セルゲームで夫を永久に失い、そこで悟空たちの戦いがどれだけ大事なことだったかというのを思い知らされています。かつては「地球より悟飯の将来の方が大事」と言い張っていましたが、悟空を失って現実を見るようになったはずです。
悟天にとっては生まれたときから父親がいないということにもなります。悟飯のときはスパルタな母親と寛容な父親でバランスが取れていましたが、父親がいない悟天に対して同じような接し方はできなくなったのではないでしょうか。
悟空の死が、チチの子供への接し方を大きく変える原因になったのではないかと思うのです。
まとめ
チチの悟飯と悟天に対する教育方針の違いは、悟空の死で武道の重要性を認識したこと、息子たちが片親となってしまったことが原因だと思います。
セル編までは悟空への愛情が微塵も感じられず、武道や仲間を軽視するような発言が多かったので、主人公の嫁にも関わらず読者から反発を受けそうなキャラクターでしたねw
魔人ブウ編では理解あるお母さんという感じで、悟空への愛情も感じられたので良かったです。チチもそれなりに武道の嗜みがあったので、戦うヒロインとして活躍する展開も見てみたかったですね。