【ドラゴンボール】チチは本当に悟空を愛していたのか考察する

悟空の嫁、チチ。

主人公のお嫁さんなので作中のヒロインと言っても良い存在なのかもしれませんが、恋愛描写のない本作ではあまりチチが活躍することはありませんでした。

むしろ結婚後は、働かずに修行ばかりしている悟空に怒っているシーンが多く、地球を守るために戦っている夫への理解が浅い少々嫌なキャラクターにも見える描かれ方をしていました。まあ働いていないので怒られるのは自業自得ですが。

ニートとは言っても地球のために命がけで戦っている悟空への扱いはかなりひどいものだと思います。サイヤ人編では、全身複雑骨折している悟空を心配すらしていないシーンが印象的でした。

《出典:ドラゴンボール》

息子の危機でもあるとはいえ、明らかに夫が血まみれで倒れているというのに、あろうことか障害物かのように飛び越えて無視していくのは流石に心がえぐられますね。これでチチに不満を抱かない悟空は聖人。

悟空に対してこんな態度を取っているチチを見ていると、彼女は本当に悟空を愛していたのか疑問に思いますよね。

チチの悟空への想いがどう変わっていったのかを考察します!

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結婚前はチチが一方的に悟空に惚れ込んでいた

チチの初登場はかなり早く、一巻ですでに登場しています。

チチとはドラゴンボールを探す道中で出会いました。見た目で相手の性別を認識できない悟空が、相手の性別を確かめる秘技「パンパン」をチチにしたことで、「もう悟空にお嫁に行くしかない」という飛躍した発想で悟空に惚れ込みました。

お互いまだ子供でしたが、大きくなったらお嫁にもらいにきてほしいという約束を交わします。

悟空はヨメというものがなんなのかわからずに了承しただけだったため、大人になるまで7年ほどチチをほったらかすことになり、しびれを切らしたチチが天下一武道会に出場して悟空に会いにきました。

《出典:ドラゴンボール》

子供の頃の約束を交わしたことを思い出し、悟空は深く悩むこともなく「約束したものはしょうがない」と思ってチチと結婚。むしろ悟空の方こそチチへの愛がないな……。

結婚前までのチチは悟空への想いが一途でかわいらしいですね。普通に見た目もかわいいし、突然幼い頃の婚約者が現れるとか昨今のラノベにでもありそうな展開です。

ブルマ以外に女っ気のなかった作品に新たなヒロインが登場、だと思ったのですが……。

サイヤ人編から口うるさい教育ママに変貌

結婚から5年後のサイヤ人編では、息子の悟飯に英才教育を施す教育ママへと変貌。

ベジータを退けた後の飛行船内では、悟飯ばかりを心配しているチチに対し、ヤジロベーが「夫のことも心配してやったらどうだ」ともっともなことを言います。

なのにチチは、悟空のせいで悟飯が巻き込まれたと言って、まるで悟空のことを気にも留めていません。

《出典:ドラゴンボール》

悟飯を戦いに巻き込んだのは悟空じゃなくてピッコロだし、悟空のおかげで地球が助かったのにこの仕打ちは離婚クラスの酷さですよね……。

地球がなくなったら悟飯の将来もくそもないのに、「地球より悟飯の将来の方が心配」と支離滅裂なことを言っているので、地球を守ることの大事さを何も理解していないように見えます。

チチも武道の嗜みがあるし、悟空とピッコロ大魔王(マジュニア)の戦いも見届けているんですから、もっと戦いに理解を示していても良いと思うんですけどね。

ただピッコロ戦は天下一武道会という武道大会の中で行われたものですし、サイヤ人編では直接チチの周囲に危害が及んだことはありません(ナッパによって東の都は破壊されましたが)。ラディッツ戦で悟空が死にましたがドラゴンボールで生き返っています。

この時点のチチは、地球の危機に対して現実味がないのだと思います。実際、サイヤ人編で激しいパワーインフレが起こって、悟空たちの戦いが地球規模での戦いになっているので、まだそういうレベルの戦いをしているという実感が湧かないのでしょうね。

悟空がボロボロなのも「悟空が好き好んで戦っている」みたいな印象なのでしょう。一言で言えば平和ボケしています。

チチの価値観がおよそ一般人のものと変わらないと考えれば、いくら武道が強かろうが働かずに一銭も稼いでくれない夫に対して冷めているのはしょうがない側面もあるのかなと思います。現実はニートに厳しいですね。

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人造人間編では、心臓病の悟空を心配している

サイヤ人編では瀕死の状態でもチチに心配されなかった悟空ですが、人造人間編で心臓病が発症したときは、悟空のことをしっかり心配して看病しています。

悟空が目を覚ました後、道着を着る悟空にまだ戦いに行ってはだめだと必死に止めようともしていました。サイヤ人編とはうってかわって悟空の身を心配してくれていますね。

《出典:ドラゴンボール》

サイヤ人編では悟空が好き好んで戦って傷ついたという認識だったのかもしれませんが、心臓病は純粋な病気です。チチにとっても、宇宙人と戦うより病気の方がよっぽど身近で現実味を帯びているでしょう。

この様子を見ていると、悟空に対して何の愛情もないというわけではないと思うんですよね。ただこの後、悟空が悟飯を修行につれていく条件として、「人造人間との戦いが終わったら悟飯の勉強の邪魔をしないこと」、「悟空が働くこと」を条件としています。

やっぱり悟空が働いていないのは大分根に持っているというか、許されていないのでしょうね。それもそのはず、悟空が金を稼がないから父親の牛魔王の財産で生活していますからね。魔人ブウ編では牛魔王の財産も尽きてきているとチチが言っていましたから、決して裕福ではないはずですし……。

読者からしたらヒーローの悟空も、一児の母であるチチにとっては働かない夫なのです。チチに煙たがられているのも、チチの立場で考えれば仕方ないことですね。

悟空の死がチチを大きく変える

セルゲームにて、悟空が戦死します。悟空の死を知ったチチは泣き崩れていました。

《出典:ドラゴンボール》

人造人間編エピローグのわずか2コマのシーンですが、チチが悟空に愛情を持っていることがはっきりとわかるシーン。

サイヤ人編のときと違い、今回はドラゴンボールで復活もできない永遠の別れ。以前のときとはショックの大きさが桁違いのはず。

しかも今回はテレビやラジオで何度もセルが報道され、セルゲーム前はお店がほとんど閉まって閑散とするなど、チチの身近にセルの恐怖が感じられていました。悟空たちがセルと戦うということは、地球を守る戦いであるということを理解できていたと思います。

流石のチチでも、その戦いで悟空が死んだというのを、自業自得だと思うことはできないでしょう。悟空を失ったことで、地球のために悟空が生死をかけて戦っていたことを実感したはずです。

また、悟空が死ぬ直前に、悟空とよろしくして悟天をお腹に宿しています。時期的にはセルゲーム前の数日間の間だと思われますので、やはり悟空への愛情がなかったわけではないのでしょう。

その悟天に対しては、悟飯のときのような英才教育を施しておらず、自由に遊ばせています。これは悟空の死がチチの考え方を変えたのだと思われます。

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悟空が占いババの能力で1日だけ下界にくると知ったときはすごく喜んでいます。「エステティックサロンにでも通っとくんだったなー」という発言を見るに、悟空のことをちゃんと男として見ていますね。

《出典:ドラゴンボール》

悟空がまた天界に帰るときは涙ぐんでおり、悟空との別れを悲しんでいました。魔人ブウ編では悟空への愛情がはっきりと感じられます。

魔人ブウ編のチチの性格がこれまでと変わっているのは、悟空の死が大きく影響しています。以前は悟飯の将来のことしか考えないような盲目ぶりでしたが、セルゲームで悟空を失ったことで現実を知りました。サイヤ人やフリーザ、人造人間との戦いなども地球のためだということがようやく理解できるようになったことでしょう。

今まで悟空への愛情に乏しかったのは、働かずに修行ばかりしていることへの不満が強かったためですから、その修行が大事なものだと分かるようになった魔人ブウ編で、悟空への愛情を完全に取り戻せたのではないでしょうか。

まとめ

心臓病で苦しんでいた悟空を心配していたり、人造人間編で悟天をお腹に宿したりしたことを考えると、チチが悟空を愛していたことは事実だと思います。ただ、悟空が働かずに戦いばかりしていることへの理解が足りず、夫としてだらしなく思っているからこそ厳しく当たることが多かったのです。

セルゲームで悟空が死に、悟空の修行と戦いの大切さを理解して、ようやく結婚前のときの愛情を取り戻せたのではないかと思います。

まあしかし、働かないことってなんて悪なのでしょう……。嫁の親の財産で暮らしている時点で世間的に相当やばいのは間違いありませんけどね。

悟空なんてそれこそミスター・サタンみたいに武道でお金を稼げばいいのではと思うんですが、そういうのはサイヤ人としてのプライドが許さないんですかね。あれだけ強くて空も飛べるなら簡単に大金持ちになる方法なんていくらでもある気はしますが……。働いたら負けなのかな。