人造人間編にて、20年後の未来からやってきた青年トランクス。魔人ブウ編では現代の少年トランクスも登場するため、人造人間編での青年トランクスは未来トランクスと呼ばれることが多いです。
パラレルワールドとなる未来からやってきたトランクスと、魔人ブウ編で活躍するトランクスは根本的に別人です。未来トランクスの方では人造人間にZ戦士のほとんどが殺され、過酷な世界となっていることから、トランクスの育つ環境が変わり、現代トランクスとは性格も強さも大きく異なっています。
この未来トランクスは人気が高く、『ドラゴンボール超』でも未来トランクス編が作られたほど。現代のトランクスはあんまり人気がないのに、未来トランクスが人気な理由を考察します!
未来トランクスとは

《出典:ドラゴンボール》
トランクスはベジータとブルマの子供で、サイヤ人と地球人の混血児。悟飯や悟天と同じく純粋なサイヤ人よりも戦闘センスが高くて、子供の頃から高い戦闘力を誇ります。
トランクスは人造人間編でようやく誕生し、本格的な活躍があるのは魔人ブウ編の8歳のとき。しかしタイムマシンに乗ってやってきた未来トランクスが人造人間編で活躍します。
未来トランクスの年齢は17歳。青年の姿でトランクスが活躍するのは未来トランクスだけで、現代のトランクスは最終話付近で18歳の姿で登場しましたが、物語ラストであったため戦闘での活躍はありません。
未来トランクスは姿こそ現代トランクスの青年時の姿と一緒ですが、性格は根本的に違います。未来トランクスは誰にでも礼儀正しく純粋な性格ですが、現代トランクスは子供の頃から生意気で、18歳になっても言葉遣いが良くはなっていませんでした。
未来トランクスの世界では悟空が心臓病で死に、トランクス以外のZ戦士は冷徹な人造人間に皆殺しにされ、地獄のような世界になっていました。過去を変えるために現代の悟空たちと一緒に人造人間やセルと戦います。
現代で悟飯がセルを倒した後は、強くなって未来に帰ったトランクスが未来の人造人間とセルを瞬殺し、平和を取り戻しています。
本作ではトランクスとセルがタイムマシンを使った影響でパラレルワールドが複数発生して複雑になっているため、各世界の説明については以下の記事で詳しく語っています!
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未来トランクスと現代トランクスの違い
未来トランクスと現代トランクスは同一人物でありながら、中身がまったく違います。それにより、未来トランクスの方がファンの中では人気が高く、グッズ化でも未来トランクス版として発売されることが多いです。
未来トランクスは物心ついた頃には父親を失い、非道な人造人間により地獄のような世界になっている中で過ごしてきました。師匠の悟飯が戦闘を教えてくれていたものの、その悟飯もトランクスが子供の頃に人造人間に殺されています。
生まれた頃から過酷な環境で、また父親のベジータがおらず主に育ててくれたのは母親のブルマと師匠の悟飯です(悟飯は戦いを教えていただけだと思いますが)。この二人に育てられたからか、未来トランクスは純真で礼儀正しい性格となり、作中でも屈指のイケメン紳士キャラとなっています。
対して現代トランクスの方はと言うと、赤子の頃に悟飯がセルを倒し、その後7年間は平穏な日々を過ごしていました。両親も存命で友達の悟天もいて、カプセルコーポレーションの跡継ぎなので裕福で不自由ない暮らしを送っています。それによりわがままで生意気な性格になってしまったのかと思われます。
過ごす環境の違いで性格が変わるというのを体現しているキャラクターですね。これにより未来トランクスと現代トランクスで別のキャラクターとして扱われることが多いです。
衝撃の登場を果たした未来トランクス
未来トランクスの登場は読者にとって衝撃的でした。
超サイヤ人の悟空以外が手も足も出なかったフリーザが地球に襲来してきて、絶望のさなかに突然登場した新キャラのトランクス。なんかイケメンの新キャラがフリーザを倒しにきたぞ!? と思うものの、地球にフリーザを倒せる奴なんて普通はいるわけありません。
そしたらまさかの超サイヤ人化し、フリーザを細切れにして瞬殺。「サイヤ人ってまだいたの!?」「しかも超サイヤ人になれるの!?」「あんなに強かったフリーザが瞬殺!?」と衝撃的なことがいくつもあり、読者を驚かせたワンシーンでした。

《出典:ドラゴンボール》
本作は悟空以外の仲間キャラクターが大きく活躍するシーンって少ないんですよね。ナッパもベジータもギニュー特戦隊もフリーザもずっと悟空が倒してきましたから。
この時点でトランクスが味方なのかは不明確とはいえ、味方だと思われるキャラクターがフリーザという強敵をあっさり倒し、悟空しかなれなかった伝説の超サイヤ人がもう一人いるという展開は読者をワクワクさせるものでした。
現代トランクスとの大きな違いはここでしょうね。初登場時のインパクトが強く、人造人間編では数少ない戦力としてベジータに並ぶほどの強さでしたので、主力級の仲間として存在感が強かったです。
現代トランクスも実力は十分ありましたし、悟天とフュージョンしてゴテンクスとして活躍したものの、流石に単体では悟空・ベジータ・悟飯に遙かに劣っていましたからね。
悲劇を持つキャラクターは人気になりやすい
未来トランクスは幼少の頃から父親も仲間も失い、また番外編として師匠の悟飯を失うシーンも描かれています。
悲劇を持つキャラクターは読者の同情もあって人気になりやすいです。悟飯がセルを倒した後は、トランクスが未来に帰って人造人間たちを倒し、平和を取り戻しています。未来トランクスの世界の結末もきちんと描かれているのが良いですよね。
本作で他に悲劇的な過去を持つキャラクターっていませんから、なおさらトランクスの人気が上がったのでしょうね。
現代トランクスは温室育ちで悲劇とは無関係です。未来トランクスは悲劇性と、それによる純真さがかっこいいのです。
まとめ
未来トランクスは数少ない超サイヤ人、登場時のインパクトが強い、悲劇を抱えたキャラクター性、サイヤ人特有の傲慢さやプライドがなく純粋な性格をしているなど、人気になれる要素がてんこもりのキャラクターでした。
『ドラゴンボール超』では未来トランクスを主役としたお話も作られているくらいですからね。制作者側も未来トランクスの人気の高さをわかっているのでしょう。まぁ、その出来はさておきですが……。
個人的にも現代トランクスより未来トランクスの方が好きです。トランクスは温厚だけども敵には油断せず容赦のないところがかっこよかった。ただフリーザ親子戦以外は現代での活躍シーンがほとんどないのは残念でしたね。
《トランクスが登場する人造人間編は28巻から!》