人造人間編から登場した地球人のミスター・サタン。
天下一武道会で優勝したことで一般人からは地球人最強の男だと認識され、本人もそれを鼻にかけた少々嫌味なキャラクターでした。
人造人間編では噛ませ犬として登場した程度で、目立った活躍はしていません。(16号の首を悟飯の元に投げ入れた程度)
しかし魔人ブウ編では魔人ブウと関係を持ち、地球を救うことに大きく貢献しています。魔人ブウ編でのミスター・サタンの功績をまとめてみました。
地球の唯一の希望となったミスター・サタン
魔人ブウによって地球上の人々が殺されるようになり、人口が8割程度減少しました。
人々は連日魔人ブウの恐怖に怯える生活を送るようになったのですが、そこで地球の唯一の希望となった男が、ミスター・サタンです。

《出典:ドラゴンボール》
人造人間編でセルを倒したのが、世間ではサタンということになっているため、セルを倒したサタンなら魔人ブウを倒してくれると期待されていました。
もちろん本当はそんな実力のない人物なので、サタン自身も魔人ブウと戦うことに腰が引けていましたが、プライドの高い人物なので表面上は強気に振る舞っています。
実力はともかく、地球の危機に希望となる人物がいるというのは、人々がパニックに陥らないために大事なことだと思うんですよね。
悟空たちは世間から認知されていないので、人々にとって魔人ブウを倒すことのできる希望はサタンしかいなかったのです。
魔人ブウと仲良くなり、人殺しをやめさせる
世間から魔人ブウを倒してくれることを期待されていたサタンは、魔人ブウを恐れながらも後に引けなくて魔人ブウを倒しに行きます。
毒や爆弾で殺そうとしたものの、魔人ブウには全く効かず、逆に面白い奴だと思われて家来になることに。サタンは内心怒りながらも、殺されたくないので家来に甘んじます。
その後魔人ブウが犬を拾ってきたことをきっかけに、サタンと魔人ブウの関係は大きく変わります。犬は怪我を治してくれた魔人ブウに懐いたため、魔人ブウは自分を好いている犬を気に入って大切にするようになりました。
サタンも魔人ブウが犬と仲良くしている姿を見て殺そうとするのを躊躇います。そしてふと「どうして人間を殺すのか」と聞き、「自分を作ったバビディとビビディからそうやって遊ぶと教わった」と知ります。
そこで人殺しは良くないとサタンが言ったことで、友達(?)としてサタンの意見を聞き入れ、もう人を殺さないと決めました。

《出典:ドラゴンボール》
最初の魔人ブウは、悪意を持って人殺ししていたわけではなく、単にそれを悪いことだと認識していなかっただけなんですよね。
結局、犬とサタンを襲撃したチンピラに対しての怒りで、魔人ブウの中の悪の心が分離し、悪の魔人ブウに善の魔人ブウも吸収されてしまいます。悪の魔人ブウは人殺しを楽しんでやっているので、悟空たちが魔人ブウと戦わざるを得なくなることには変わりませんでした。
とはいえ、一時的でも魔人ブウの人殺しをやめさせたことは貢献に値すると思います。魔人ブウを倒す実力がなくても、サタンなりに魔人ブウの被害を止めようとしたことは立派ですね。
ピッコロはこの様子を神殿から見ていたため、サタンのことを誇り高い世界チャンピオンだと認めています。

《出典:ドラゴンボール》
地球の神でもあったピッコロからこんな評価を受けた地球人は他にいません。殺される恐れがあるのに魔人ブウと接触して和解することができたのは誇れることです。
現在の神であり同じくサタンの様子を見ていたデンデは、サタンの扱いがぞんざいでしたけどね……。

《出典:ドラゴンボール》
悟天とトランクスの修行の時間を稼ぐ説得材料になる
悪の魔人ブウは気を読むことができるため、悟天たちが神殿にいることがばれてしまいます。
神殿にやってきた魔人ブウは、「自分と戦う戦士をだせ」と言ってきました。
悟天とトランクスの修行が完璧ではないため、精神と時の部屋で修行させてから魔人ブウと戦わせたかったピッコロは、「サタンの子供も待ってほしいと言っているぞ」と魔人ブウに告げます。
サタンと匂いが似ていたためにサタンの娘であることを信じた魔人ブウは、1時間だけ悟天たちが戦いの準備をするのを待ってくれることになりました。(結局30分程度しか我慢できませんでしたが)
ここで魔人ブウが待っていてくれたおかげで、悟天とトランクスが精神と時の部屋で修行することができ、超サイヤ人3へと覚醒しています。
サタンが魔人ブウと仲良くなったおかげですね。まあ仮にここで魔人ブウが待ってくれずにゴテンクスを殺していたとしても、それはそれで悟飯が魔人ブウを倒すことができていたとも言えますが。それは結果論かな。
魔人ブウ戦の時間稼ぎになる
魔人ブウの体内から善の魔人ブウを取り除いたことで、元々の純粋魔人ブウに戻ります。
界王神界での純粋魔人ブウとの最後の決戦では、悟空とベジータでは倒すことが出来ず、絶体絶命の状況になりました。
そこにたまたま居合わせたサタンが純粋魔人ブウに殺されそうになったことで、善の魔人ブウがサタンを護るために純粋魔人ブウと戦います。
実力的には純粋魔人ブウの方が断然上でしたが、それでも結構な時間稼ぎはできていました。その間に悟空たちはナメック星のドラゴンボールで地球を復活させ、元気玉で倒す用意をしています。
サタンがいなければ魔人ブウ戦の時間稼ぎができておらず、地球を復活させられずに悟空たちはやられていました。これもサタンが魔人ブウと仲良くなったおかげです。
魔人ブウ戦で特大元気玉を作るために地球人を説得する
サタンが最も活躍したシーンと言えば、魔人ブウ戦で特大元気玉を作るために地球人を説得してくれたところ。
悟空が作る元気玉は、地球人が手を上げて気を分けてもらわなければなりませんでしたが、界王様の力で地球人全員に協力をお願いしても、ほとんどの人は怪しんで協力してくれませんでした。
しかし地球人から全幅の信頼を得ているサタンが、自分が戦っているから力を貸せと嘘を言って、それを信じた人々が元気玉を作ることに協力してくれます。

《出典:ドラゴンボール》
手柄を横取りしたような感じでもありますが、この場面はこうでもしなければ地球人たちが協力してくれなかったため、やむを得なかったことでしょう。サタン自身、命がけで真剣に戦っている悟空たちを見て、彼らを信じて協力したかったわけですし。
ついでに言えば悟空が元気玉を完成させた後に、瀕死のベジータが巻き込まれないように担いで逃げています。
悟空はサタンのことを「お前は本当に世界の救世主かもな」と賞賛していました。直接魔人ブウを倒したのは悟空ですが、サタンは戦闘できる力がなくても魔人ブウを倒すことに大きく貢献した功労者だったと言えるでしょう。
まとめ
ミスター・サタンはZ戦士のように直接強敵と戦う力はありませんが、自分にできる範囲で地球を救うことに貢献した立派な英雄だったと思います。
悟空たちもサタンのことを認めていましたし、サタンも魔人ブウと戦った悟空たちを認め、それ以降は仲良くなっていました。本編終盤のサタンは鼻にかけた態度が見られませんでしたね。
ついでに言うと、サタンの最大の功績はビーデルというかわいい娘を作ったこと。サタンとは似ても似つかぬ美少女で、作中で一番かわいいと思います(笑)
《魔人ブウ編は36巻から!》