ヤムチャと言えば、ドラゴンボールの中でもへたれキャラとして有名な、愛されキャラ。
初登場時は悟空と良い勝負をしており、悟空少年期は強い仲間の一人というようなポジションでした。
ですが、ピッコロ登場あたりからどんどん立場がなくなってきて、栽培マン戦を最後に第一線から退いています。
今回はヤムチャが作中で最後に披露した必殺技『繰気弾』について考察したいと思います。
この技、へたれなヤムチャが使っていた技なので弱いイメージがありますが、実はかなり強い優秀な技だと思うのです。
繰気弾とは

《出典:ドラゴンボール》
天下一武道会にて、ヤムチャがシェン(神様)との戦いで使用した必殺技。
掌に気を集中させ、気の球体を作り出して、遠隔で球体を操ることができます。スピードも非常に素早く、遙かに実力が格上だったシェンが焦るほどの速さでした。
更に耐久力も高いようで、リングに向かって突撃した後も、リングの中を移動して下から不意打ちを当てることに成功しました。これには悟空や天津飯たちも驚いています。

《出典:ドラゴンボール》
威力・スピード・コントロールすべてが高い強力な技ですね。ヤムチャもこの技には相当な自信があったようで、手も足もでないシェン相手でもこの技を使えば勝てると考えていたくらいでした。
残念ながら不意打ちで繰気弾を顎に当てても大きなダメージを与えられず、倒したと思って油断したことでその隙を突かれてしまいヤムチャが負けました。元々の実力がかけ離れていたので仕方なかったでしょう。
シェンも高く評価していた
シェンはヤムチャよりも遙かに強かったですが、ヤムチャの強さと才能を認めており、「素晴らしい素質を持っている」と評価していました。
当時では悟空、ピッコロに次ぐ強さを持っていた神様に評価されたわけなので、ヤムチャも充分強かったと言えます。まあ、サイヤ人やナメック星人が強すぎるのでどうしても霞んでしまうのですが……。
そしてそのシェンが、繰気弾を避けたあと、「いまのはかなりお見事でしたよ」と驚嘆します。
更にリングの下から飛び出て攻撃を食らった後は、「実に良い技でした」と改めて再評価していたので、技自体は神様も認めるほど優秀であったことが分かります。
気功波を自在にコントロールするのは難しい
ドラゴンボールの世界ではかめはめ波を始めとして、気功波系の技は多いです。
多くの技は、まっすぐ放出したり投げつけるタイプのもので、気功波を自在にコントロールする技は滅多にありません。せいぜいかめはめ波を曲げるとか、自動追尾にするという程度。
クリリンが栽培マン戦で気功波を曲げたり分裂させたりしましたが、高度な操作をする代わりにスピードは犠牲になっていました。
そう考えると、繰気弾は非常に速いスピードかつ、術者の動かしたいように動かせるコントロール力と、他の技より優れていると考えることができます。
他のキャラは使えなかったのか?
繰気弾は強いです。
でもヤムチャは弱い。
ならば他のキャラ、たとえば悟空が使ったら活躍できたのではと思いますが、悟空たちでは使えなかったんでしょうかね。
手元から離れた気を、複雑な動きをさせるほど精密にコントロールするというのは難しいでしょうから、戦闘力の高さとはまた別のセンスが必要になりそうです。
繰気弾という技ではなくても、繰気弾のように遠隔で精密に操れる気功波が撃てれば戦闘で有利になれそうなものですが、その後も繰気弾ほど操っている技は登場しませんでした。なかなか真似できるような技ではないのかもしれませんね。
まとめ
繰気弾は強力な技なのだが、ヤムチャ以外に扱えるキャラがいなく、ヤムチャは根本的に弱いので活躍できない残念な技だった。
クリリンや天津飯は、戦闘力は低くても独自の技で要所要所活躍したのですが、ヤムチャは繰気弾というものがありながら、特にそれを活かす場面がなかったのが惜しい。
その二人とは違って、早々に武闘家として強くなることを諦めてしまったのが、ヤムチャが活躍できなかった要因でしょうね。弱いなりにしっかり修行していれば、多少は役に立てていたかもしれません。